今回の記事は、
✔自動車保険について知りたい人
に向けて、自動車保険についてまとめました。
自動車保険とは?
自動車保険とは、自動車の事故によるさまざまな損害を補償する保険です。
自動車保険は加入が義務づけられている「自賠責保険(強制保険)」と任意に加入する「自動車保険(任意保険)」の2つに大きく分けられます。
自賠責保険と自動車保険の違い
相手への補償 | 自分への補償 | |||
死傷 | 車・モノ | 死傷 | 車・モノ | |
自賠責保険 (強制保険) | △ | × | × | × |
自動車保険 (任意保険) | ○ | ○ | ○ | ○ |
*自賠責保険(強制保険) 支払保険金の限度額
傷害:最高120万円
死亡:最高3,000万円
後遺障害:最高3,000万円(重度後遺障害の場合は4,000万円)
自賠責保険とは
自賠責保険とは、すべての自動車(二輪・原付を含む)に加入が義務付けられている保険です。交通事故による被害者を救済することが目的であるため、補償される範囲は対人事故の賠償部分のみになります。自分自身のケガやモノなどへの補償はなし。
自賠責保険に加入しないと?
自賠責保険に加入せずに対人事故を起こした場合、賠償金額は自己負担です。
このとき、任意保険に加入していたとしても、任意保険から支払われるのは自賠責保険の補償限度額を超える部分となります。
例えば被害者が死亡した場合は、自賠責保険の補償限度額が3,000万円となるため、3,000万円までの賠償金額は自分で負担しなければなりません。
また、自賠責保険に加入せずに運転をすると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数6点が付加されるため免許停止処分となります。
また、自賠責保険証明書を持たずに運転した場合にも、30万円以下の罰金です。
自賠責保険はどこで加入しても内容や保険料は変わりません。
自賠責保険は、必ず加入しないといけないんだね。
自動車保険(任意保険)とは?
「自動車保険(任意保険)」は、「相手への補償」・「自分自身や同乗者への補償」・「自分自身の車への補償」といった大きく3つに分けられます。
自動車保険は、いくつかの補償を組み合わせる仕組みです。自賠責保険だけでは、まかなえない大きい事故に備えて、自動車保険にも必ず加入した方が良いと思います。
基本項目 | 詳細 | |
---|---|---|
相手への補償 | 対人賠償 | 被害者のケガに対する保険 |
対物賠償 | 被害者の財産に対する保険 | |
自分や同乗者のケガの補償 | 人身傷害補償 | 自分や家族、搭乗者のケガを補償する車に乗っている人、全てに対する保険 |
搭乗者傷害 | 車に乗っている人、全てに対する保険 | |
自損事故 | ドライバーの単独事故でのケガを補償 | |
無保険車傷害 | 相手方が保険非加入、当て逃げ時の補償 | |
自分の車の補償 | 車両保険 | 自分の車のための補償 |
相手への補償
他人を死傷させたり、他人の車や財物(モノ)などに損害を与えた場合の補償です。
対人賠償保険とは
自動車事故により、他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任が生じた場合に、自賠責保険の補償額を超える部分に対し保険金が支払われます。
高額判決例(人身事故)
認定総損害額* | 判決年月日 | 被害者 | 被害者職業 | 損害 |
---|---|---|---|---|
5億2,853万円 | 2011年11月1日 | 男性 41歳 | 眼科開業医 | 死亡 |
4億5,381万円 | 2016年3月30日 | 男性 30歳 | 公務員 | 後遺障害 |
4億5,375万円 | 2017年7月18日 | 男性 50歳 | コンサルタント | 後遺障害 |
4億3,961万円 | 2016年12月6日 | 女性 58歳 | 専門学校教諭 | 後遺障害 |
3億9,725万円 | 2011年12月27日 | 男性 21歳 | 大学生 | 後遺障害 |
*認定総損害額とは、被害者の損害額(弁護士費用を含む)をいい、被害者の過失相殺相当額を控除する前の金額です。
賠償金額は高額になることが多いみたい。。。
『対人賠償保険』は「無制限」で入った方が良さそう!
対物賠償保険とは
自動車事故により、他人の車や建物などの財物(モノ)に与えた損害に対して、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。支払いの対象となるのはあくまで「他人の財産への損害」のみです。
高額判決例(物損事故)
認定総損害額* | 裁判所 | 判決年月日 | 被害物件 |
---|---|---|---|
2億6,135万円 | 神戸地裁 | 1994年7月19日 | 積荷(呉服・洋服・毛皮) |
1億3,450万円 | 東京地裁 | 1996年7月17日 | 店舗(パチンコ店) |
1億2,036万円 | 福岡地裁 | 1980年7月18日 | 電車・線路・家屋 |
1億1,798万円 | 大阪地裁 | 2011年12月7日 | トレーラー |
1億1,347万円 | 千葉地裁 | 1998年10月26日 | 電車 |
*認定総損害額とは、被害者の損害額(弁護士費用を含む)をいい、被害者の過失相殺相当額を控除する前の金額です。
店舗に突っ込んでしまった場合や高額な商品を運んでいる車と事故を起こした場合などに賠償額が高額になってしまいますが、自賠責保険では補償を受けられません。
賠償額が高額になってしまうこともあるみたいだね。
『対物賠償保険』も「無制限」で入っておいた方がよさそうだね。
自分自身や同乗者のケガの補償
人身傷害補償特約とは
自動車事故により、死亡したり、ケガをしたときに、治療費・休業損害・精神的損害(慰謝料)などの実際の損害に対して、過失割合にかかわらず自分の契約している損害保険会社から損害額の全額が支払われます。
搭乗者傷害保険とは
運転者や同乗者など、自動車に搭乗中の人が事故によって死亡したり、ケガを負ったときに保険金が支払われます。
自損事故保険とは
自賠責保険では補償されない運転者自身の自損事故(運転ミスによる電柱への衝突など)で、運転者などが死亡したり、ケガをしたときに保険金が支払われます。
無保険車傷害保険とは
任意保険に加入していない車など(無保険車)との事故により、運転者や同乗者が死亡または後遺障害になったときに保険金が支払われます。
自分自身の車の補償
車両保険とは
事故により、自動車が損害を受けた場合に保険金が支払われます。一般的な車両保険と、補償範囲を限定して保険料を抑えたタイプの車両保険があります。
※補償内容は保険会社の商品によって異なります。
一般 | 車対車+A (エコノミー) | |
---|---|---|
車やバイクとの事故 (相手が判明している場合) | ○ | ○ |
自転車との衝突・接触 | ○ | × |
電柱・建物などとの衝突や接触 (単独事故) | ○ | × |
あて逃げ | ○ | × |
転覆・墜落 | ○ | × |
火災・爆発・台風・洪水・高潮など | ○ | ○ |
盗難・いたずら・落書き | ○ | ○ |
窓ガラスの損害・飛び石による損害 | ○ | ○ |
地震(津波や地震起因の火災含む)・噴火 | × | × |
等級制度とは
自動車保険は、事故歴(保険金請求)歴に応じて保険料の割引・割増を適用する、ノンフリート等級(以下「等級」)が設定されます。
自動車保険では、契約者が所有または使用する自動車の総台数が9台以下の契約のことを「ノンフリート契約」、10台以上の契約のことを「フリート契約」といいます。
※1事故の種類や形態によって、3等級ダウン事故、1等級ダウン事故、ノーカウント事故(等級がダウンしないもの)があり、事故の内容によって翌年の等級が決まります。
等級は1等級から20等級まであり、数字が大きいほど割引率が高く、事故のリスクが低い人=保険を使う可能性が低い人、ということになります。このしくみは、どの自動車保険の会社でも共通して利用されています。初めて自動車保険に加入するときの等級は「6等級」です。
まとめ
自動車保険とは、自動車の事故によるさまざまな損害を補償する保険。
自賠責保険とは、すべての自動車に加入が義務付けられている保険。交通事故による被害者を救済することが目的。
自賠責保険に加入せずに運転した場合、罰金・罰則があり、事故を起こした場合は賠償金額は全額自己負担。
対人賠償保険・対物賠償保険は、無制限で入った方が良い。
自動車保険には等級制度があり、数字が大きいほど割引率が高い。初めて加入するときは6等級。
自動車保険について少し分かった気がする。
次回、自動車保険の見直しについて紹介します!
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